人間の目は生まれてすぐによく見えるようにはできていません。 生まれてすぐの赤ちゃんの視力は0.01ほどで、1歳で0.1、4歳で1.0になります。この変化は眼球の奥にある光を受け取る網膜に映った像を脳が理解することで進みます。この時期に何らかの理由で網膜にはっきりと像が映らず脳に刺激が加わらないと視力が育たず、後から刺激を加えても見えるようにはなりません。これが弱視です。
3才児検診の目的の一つは、この弱視を早期に発見することです。6~7歳までであれば適切な治療によって弱視は治ります。子どもは自覚症状を適切に伝えることが難しいですが、3才児検診以前であっても次のような症状があれば弱視が疑れますので、眼科を受診してください。
左右の目は常に連動して一つのものを見ようとします。これがうまくいかず、左右の視線がずれるのが斜視です。片方の視線がずれたままだと、ずれた側の目が使われないため弱視になることがあります。
片方の目が内側にずれるのが内斜視、外側にずれるのが外斜視です。これに上下方向のずれが加わることもあります。また、斜視には常にあらわれるものと、出たり出なかったりするものがあります。目が内側にずれているように見えても実際は斜視でない場合もありますから、斜視が疑われる場合は必ず眼科を受診してください。
斜視の治療は原因によって異なります。眼鏡をかけて治療する場合と、手術をする場合があります。
斜視、弱視について詳しい説明はこちらをご覧ください。(提供:日本弱視斜視学会ホームページ)
結膜とは白目とまぶたのうらのことです。白目が充血したり、めやにがたくさん出たりしたら眼科を受診してください。
結膜炎にはうつる結膜炎とうつらない結膜炎があります。うつる結膜炎の代表例がアデノウイルス結膜炎(流行性角結膜炎)です。涙やめやにを触るとうつるので、学校や幼稚園をお休みすることになります。
まぶたの中に細菌が入り込んで化膿する病気です。ほとんどは抗生剤の点眼と内服で治ります。長引くときは切開して膿を出すこともありますが、子どもでは全身麻酔が必要なこともあるので、できるだけ薬で治します。
子どもはまぶたが厚いのでまつ毛が内側を向き、黒目に当たることがあります。ただし子どものまつ毛は柔らかいので黒目にあたっても傷がつくことはあまりありません。 また、成長するとまぶたが薄くなり自然に治ることが多いので、通常は経過を見ます。
涙は目頭から鼻涙管という管を通って鼻へ流れます。鼻涙管は生まれてすぐの赤ちゃんで開いていないことがあります。 涙目やめやにが止まらない赤ちゃんはこの病気の可能性があります。抗生剤の点眼と鼻の付け根のマッサージで良くなることがほとんどです。